フルボッコ同盟
2、後藤唯という女


「後藤、点数下がってたぞ。どっか調子悪かったのか?」

廊下で出会った先生に言われる。

「…いえ、ただの勉強不足です。すみません、次は頑張ります。」

「いや、まあ下がってるって言っても首席だし、よくやってるよ。…でもなあ…」

「はい?」

「付き合う友達は選んだ方がいいぞ。」

「…翡翠のことでしょうか。」

「まあな。あいつはサボり癖があるし、学年トップのお前がつるむようなやつじゃない。」

カチン。

「…うるせえな。」

「は?」

「あ、いえ。自分の友達くらい自分で選びますから。それでは。」

唯は背筋を伸ばして教室に入った。

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