フルボッコ同盟

「…そう。」

「復讐なんてしてる暇ないのよ。私は…幸せにならなきゃ。」

翡翠は自分に言い聞かせるように呟くと屋上を出て行った。

樋口はため息をつく。

「幸せか…。」

自分が幸せになることが最大の復讐だとよく耳にする。

復讐することが最大の幸せだったらどうするんだ。

「結局…どうすることもできないのか。」

樋口は立ち上がり、屋上のドアに向かう。


どうやって復讐しようか考えながら、やり場のない怒りを抱えて。

< 120 / 211 >

この作品をシェア

pagetop