フルボッコ同盟
13、樋口和馬という男


翡翠は屋上で男子生徒と話していたときと、 唯を助けに行ったときの2回、

一瞬気を失ったことを覚えていた。

その直前に何があったかも覚えていた。

だけどどうして倒れたかは分からなかった。


男子生徒と話しているときの記憶に遡る。

確かあのときは『レイプ』という言葉で頭の中が真っ暗闇になった。

叫ぶ女の声と泣きわめく子どもの声が聞こえてきて、激しい頭痛に襲われた。

それから一瞬だけ気絶した。


唯を助けに行ったときは

健一の頭から血が流れ出たとき(ケガは出血が多かったものの、ただの擦り傷だった)、また頭の中が真っ暗闇になり、頭から血を流して何か叫ぶ母、それから…


母を襲う男が頭に浮かんだ。


そのあと、なんとも言えない恐怖に襲われて一瞬だけ気絶した。

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