フルボッコ同盟
14、山村麗子という女
麗子は変わり者だった。
人一倍好奇心旺盛で人一倍洞察力があった。
山村真治と植松麗子が出会ったのは大学1年のとき。
「あの教授、絶対ヅラだよね。」
「は?」
これが麗子の第一声だった。
学食でカレーを食べている真治にいきなり話しかけてきた。
麗子と真治はそんなに仲がいいというわけではない。
というよりも話したこともない。
学科が同じで、かぶった講義のときにすれ違うくらいだ。