フルボッコ同盟

「私、看護師をしてるの。」

「そうなんですか。」

「翡翠ちゃんとは13年前…病院で会ってる。」

13年前…?

「…翡翠ちゃんのお父さんに口止めされてるから言えないんだけど。」

「口止めってもしかして母の事件のことですか?」

「へっ!?」

「それなら大丈夫です。全部知ってますから。」

「お父さんに聞いて…?」

「いえ、思い出したんです。」

「そ…うなの。」

きっと父は私を傷つけないために黙っていた。

私の記憶がすっぽり抜け落ちてることも知っていた。

『お星さまになった』って説明するくらいだもんな。

私もそれで納得してたし。

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