フルボッコ同盟
何時間かかけて2人がたどり着いたのは小さな田舎町だった。
「なあ、そろそろ教えてくれてもいいんじゃね?お前がどこに向かってんのか。」
「ここ、私のお母さんの故郷なの。」
「は?」
「おじいちゃんやおばあちゃんももう死んじゃっていないんだけど、ちょっとだけ興味があって。」
「ふーん。」
「お母さんが一体何を見て育ったか、どんな子どもだったか知りたくなった。」
「そう。」
「今日は遅いから旅館行こう。」
「旅館?とってんの?」
「うん。温泉旅館。」
2人はバスに乗り込む。
「なあ、どれくらいで着くの。」
「1時間。」
「遠い。」
「でも思ったほどではないでしょ?」
「いや、思った通りだ。」