フルボッコ同盟

「あらごめんなさい。人違いだわ。」

「麗子って、山村麗子?」

おばあちゃんはびっくりしたようだった。

「どうして…」

「私、山村麗子の娘。」

するとおばあちゃんは目を見開いた。

「やっぱりねえ、口元が麗子ちゃんに似てると思ったのよー。麗子ちゃんはもっと目がキラキラしてたけども。」

「私の目が死んでるとでもいいたいのか。」

「え?なんだって?」

「いや、なんでもない。」

ちょっと耳が遠いらしい。

「お名前は?」

「翡翠。」

「そうだったかね?大きくなったねえ。」

「会ったことある?」

「まだ翡翠ちゃんがこんなにちっちゃいとき。」

おばあちゃんは親指と人差し指で1cmくらいを表した。

「それは小さすぎるだろ。」

< 180 / 211 >

この作品をシェア

pagetop