フルボッコ同盟

「雄真!」

「…兄貴。」

駅に来ていた和馬が駆け寄ってきた。

「どこ行ってたんだ!心配したんだぞ!」

「…ごめん。」

「まあ無事ならいい。お父さんとお母さんも待ってる。帰ろう。」

「兄貴。」

「うん?」

「俺なあ、やっぱり本当の父親が憎い。」

「…なんで。」

「なんでって…お袋を悲しませたのが一番の理由だ。」

和馬は首を傾げる。

「母さんを悲しませた?…ああ、この前父さんが母さんのプリンを食べたこと?そんくらい許してやれよ。」

「は?」

和馬は笑って言った。


「お前の父さんは、今の父さんだけだろうが。」

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