フルボッコ同盟

しばらくして呼ばれた翡翠。

リビングには笑顔でクラッカーを鳴らす面々がいた。

「おめでとー!」

「…ありがと。」

隣の家の花梨や、後輩の大和、クラスメートの楠木も増えていた。

「さ、ご飯にしようか。」

いろいろ会話しながら食事をするみんな。

誰も一切昨日のことには触れなかった。

「大和ー!」

「うわっなんすか!」

テンションが高い健一は大和に絡んでいる。

「後藤さん、今度の委員会のことなんだが、」

「普通そんな話ここでする?」

佐介は唯に叱られる。

「リョウも食べる?」

見えないお友達と話す楠木。

「おじちゃんの料理おいしーい!」

「ありがとう。いっぱい食べてね。」

花梨と父は笑顔で食事をしている。

いつもと変わらない。何も変わらない。

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