フルボッコ同盟
「う…うう…」
「あー…これあげるから泣くな。」
お姉ちゃんは飴をくれた。
「もっといるならもっとあげるよ。健一にいっぱいもらったから。」
そう言うと、お姉ちゃんは私のポケットにいっぱいの飴を詰め込んだ。
「…ありがとう。」
「じゃあ。」
「待って!」
「何?」
「お家…」
「は?」
「わかんない…」
「げ。迷子かよ。交番行け交番。」
「交番わかんない…」
お姉ちゃんはしばらく空を見たあと、
「仕方ないな。ちゃんと道覚えてよ。」
と言って私の手を引いた。