フルボッコ同盟


「お前ら、次の化学は実験だから、移動してくれ。あと、適当に4人グループ作って座っといてくれや。」

廊下から顔を出した先生が呼びかける。

俺にはいつも一緒にいる友達はいない。

あまり深入りされると俺の力がバレてしまうかもしれないから。

だからと言って孤立しているわけでもない。

ある程度距離を置きながらいろんなグループを行き来しているのだ。

『移動だって、友。早く行かないと遅れちゃうよ。』

「…ああ。」

俺に話しかけてきたこいつはリョウ。

幽霊だ。

俺が入学する前からずっと学校に住み着いていたらしい。

見た目は同い年くらいだが年齢不詳。

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