小林惣一郎の初恋
「おい、大丈夫か?出られそうか?」

「大丈夫だけど、まだ狭いな…足元の瓦礫どかしてくれ…」

「あ、あぁ…わかった…」

惣一郎が退かす瓦礫の一部にはわずかに血がついていた。

しかし、惣一郎の手の平に傷はなかった。

「どうだ?出れないか?」

「待てよ…いけると思う…引っ張ってくれ」

「わかった、いくぞ」

惣一郎はベッドの下に手を入れて、服を掴み横に引っ張った。
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