小林惣一郎の初恋
「…あれがら、12時間が過ぎでる…余震も何がいがあった…」

ヒロが腕時計を見ながらいった

「12時間…俺が気付いてから2時間は立ってると思うけど…とにかく…下に行こう…このホテルだっていつまで持つかわからない…」

「あぁ…そうだな…」

「待っで…」

ヒロはそう言うと、辺りをキョロキョロと見回して、歩き始めた。

「何してるんだよ…ヒロ!惣が言ったように確かに危ないんだぞ」

ヒロはしゃがみ込むと、瓦礫を少し除け、何かを掘り出した。

「持っで行っだ方がいい…軽ぐしで…」

それは、ソファーの上にまとめて居た俺達の荷物だった…

俺達は、食料になる土産と…着替えは上下1着だけをかばんに入れた…

葵の土産に買った…ぬいぐるみも俺は置き去りにした。

瓦礫を越えて、3人は壊れた壁の隙間から廊下に出た。
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