小林惣一郎の初恋
「あっ・・・」

惣一郎は目を逸らして、再び橘を見つめた。

「今は・・・まだ・・・」

橘は声を殺して、そう呟いた。

「あぁ・・・わかったよ」

惣一郎も声を殺して応えた。

「七瀬、足とか挟まれてないな?」

隆夫が七瀬に確認する。

…トントン…

「…うん…大丈夫。動くよ…」

七瀬は足を動かしながら応えた。
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