小林惣一郎の初恋
「七瀬、なんだよ?」

隆夫が疲れ果てた息遣いで聞いた。

「私の友達が…ずっと返事ないし…私は気を失ってないはずだから…まだ居るはずなの…」

辺りを見回しながら七瀬が応えた。

「……」

重い沈黙がただよう。

「七瀬さん…落ち着いて聞…」

と、惣一郎が話してる途中で…

「ひっ…ぃ…いやあぁぁぁぁぁぁぁ…」

七瀬は同室の2人の変わり果てた姿を見て、その場に泣き崩れた。
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