小林惣一郎の初恋
「ダメだ……」

「私の方が力あるから!」

「それでも、橘は女だぞ!」

「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!」

「いくら強くたって、す…」

「ん?何よ?」

『好きな相手くらい自分が守りたい』

惣一郎は言えなかった。

「とにかく…先に降りてくれよ…頼むから…」

「…わかったわ…言い争ってる場合じゃないもんね……」

橘はロープを伝い下に降り始めた。
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