小林惣一郎の初恋

…秘密…

「…俺は…怪我の治りが早いんだ…」

「…えっ……、早いって何よ? 早いなんてもんじゃ……」

橘は困惑している。

「うちの家系は、皆なんらかの超能力があるんだ…
俺の場合は治癒力が高いって力で……」

「…皆?お姉さんも?そんな話…信じられ…
大体、治癒力が高いって超能力なの?」

「姉ちゃんは、壁をすり抜けることが出来んだ…。
確かに、治癒力が高いって超能力って感じじゃないよね…ハハ…」

「壁…?すり抜けるって……手品?」

「いや。そのままの意味だよ…壁をすり抜けるんだ。」

そう言いながら、惣一郎は立ち上がった。

「さぁ、もう行こう…皆が待ってる」

惣一郎は、困惑し座り込んでる橘に手を差し出した。

「ヒッ……あ…」
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