大嫌いな君へ。
運命の出会い……なんてあるわけないじゃん、
『こーと、お願い!一生のお願い、』
そう言って私を見上げる、佳奈は今にも泣きそうな顔をしている。
……あたし、こういうの弱いって知っててやってます?
……本当に、嫌になるよね
こんな顔されちゃ断れないじゃんか、
あたしは本当はすっぱり断りたい。そんな事してる暇があるなら苦手な数学を1日中、延々と問題を解き続けた方がまだましだ。
『琴しかいないんだよ、ううん、琴がいいの…どーしてもだめ?』
「合コンでしょ?北高の男子が大勢来るっていうやつ、」
『そうだけど……、どうしても、どうしても行きたいのっ、お願い!琴も一緒に来てよ…』
私の前に立って、私を見上げているこの女の子、藤田 佳奈。
私の幼なじみだ。
佳奈は、小さくて、可愛くて ……“女の子”って感じ。
見た目とか、仕草が可愛いから、たまに“ぶりっこ”なんて誤解されることもある。
でも、本当は芯があって、たまにびっくりするくらいしっかりしてる。
私の、かけがえのない友達。