殲-sen-

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「覚悟…そろそろ出来たか?」

村に着くまでの道のりで、檜山さんは少し歩調を緩め振り返る。

「…ええ。」

それだけ告げる。
すると、また苦笑いを浮かべ、

「…ほんと、すげえな。
でもまだ餓鬼だろ?怖いならそういえよ。

あそこに着くまでなら甘えさせてやってもいいから。」

そう優しく言うけど、そんなことはしない。
甘えれば、それだけ今後の負担になるのだから。

少し震える腕を押さえつけ、檜山さんに気づかれないようにする。


「由実と約束したときにある程度覚悟は決まってました。……死ぬわけにはいかないんですよ。」

そう呟くと、私の気持ちが通じたのか、檜山さんは前に向き直り、

「…ああ。そうだな。」

歩調を戻し、先に進む。
私もそれについていく。

私たちの手にはそれぞれ武器が握られている。
丸腰では心もとないし、襲われても全く歯が立たない。

私には小太刀、檜山さんには日本刀。

これはすべて小屋で見つけたもの。
あんな小屋に何故そんなものがあったのかは分からない。

日本刀は2,3本あったが、私は重くて使いこなせないということで小太刀を帯刀することに決めた。

村に着くには最初は走っていたから直ぐであったが、多少時間がかかった。
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