殲-sen-
chapter3
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小屋に着くと、扉を開けると真っ先に由実が飛びついてきた。
「うぁっ!!」
「希咲ちゃ――んっ!!」
よろめきながら由実を受け止める。
「…由実。」
呆れたように名前を呼ぶ。
すると、由実は拗ねた様に頬を膨らます。
「私心配してたんだからねぇ!!
信じてなかったわけじゃないけど、怪我とかしてたらどうしようって!」
目が潤んでいる。
確かに心配させすぎたかな。
今まで死と隣りあわせだったのだ。
私が逆の立場だったら耐えられなかったかもしれない。
私はなるべく優しく、安心するように伝えた。
「大丈夫だったよ。
…というよりも、私は何も出来なかった。」
―――――何も出来なかった。
そうか、私は役立たずだった。
私はただ檜山さんにお守りしてもらっただけ。
言葉にして初めて何も役立てなかったことを認識し、気持ちが少し落ちる。
すると、そんな私に檜山さんが気づき、
「いや、役立った。想像以上だ。」
そう言ってくれた。
はぁ、優しすぎるなぁ。と思いながら、今回の自分に反省する。
少し由実と話した後、とりあえず中に入ろうと思い、由実を離そうとした時、
……?
ふと後ろに誰か居ることに気付いた。