殲-sen-
――チリンッ
どこかできれいな鈴の音が聞こえた。
一般的な鈴というよりは風鈴に近いよく透る音色。
今は季節にもあっているので、特に気にすることではないのだけれど、やけにはっきりきこえたのであたりを見回している。
ん?
近くには鈴は見当たらない。
するとまた、
――チリンッ
何処から聞こえるのだろう。
特にすることもないため、鈴の音がする場所を探してみる。
すくっと立ち上がり居間の中をうろうろしてみる。
――チリンッ
連続して一定の時間で鳴っている気がする。
…そして、なんとなく音が大きくなり、近付いている気がする。
――チリンッ
「…っ」
やけに耳つく音。
原因を突き止めようと、少しムキになる。
居間の中をざっと見ても鈴は見つからないため、他の場所だろうかと思う。
――チリンッ
ああ、もうまた!!
しつこく鳴り続ける音にイライラして居間の外に出た途端――――
――――そこには一人の女性が立っていた。