一度目のくちづけは煙草のにおいがした
「良かった
あと授業終わるまで20分あるわ、
ゆっくりしていたら?」
「はい、そうします」
大西先生は、紅茶をすすり、またパソコンに向かう。
わたしは保健室のソファーに座った。
大西円香
保健の先生
20代後半だが、顔は童顔
わたしは授業をさぼるために、よく保健室を利用していた。
先生は、わたしにも紅茶を入れてくれた。
「ありがとうございます」
先生は微笑む。
そして
「ごめんね、ちょっと外出るわ」
といい、外に出た。
すぐに戻ってきた彼女からは、煙草のにおい。
大西円香は、見た目とは裏腹に、ヘビースモーカーだった。
「あはは、生徒指導の先生に怒られちゃった」
彼女がそう言うと、チャイムが鳴り響く。
わたしが、先生に
ありがとうございました、
というと
彼女は
またきてね
と、いつものように言った。