zinma Ⅱ
そのうち、私とファギヌは、お互いを愛し合うようになった。
お互いに助け合い、何度もお互いの命を救った。
あるとき、驚くべきことがわかった。
妊娠だ。
私のお腹に、子供がいた。
私と、ファギヌの子供。
もちろん私は嬉々として軍に報告をした。
子供ができたから、一番故郷に帰らせてほしい、と。
しかし軍の反応は、最悪だった。
もし故郷に帰るのなら、軍役の放棄として、お前の故郷をつぶす。
信じられなかった。
さらにそのあとすぐに、次の出兵先の通知がきた。
生きて帰ってくる者が今だにいない、最悪の戦場だった。
このまま軍にいれば、子供もろとも、私たちは死ぬ。
しかし帰れば、その帰る先が消される。
その答えは、もう決まっていた。
私たちは、故郷に手紙を送った。
事のいきさつ。
これから死ぬ。
死にに行く。
どうか皆、元気で、と。
するとすぐに返事は帰ってきた。
帰ってこい。
私たちは、そんなことできなかった。
返事を返すこともできず、結局、出兵の日になってしまった。
それまで何通も何通も、手紙は届いていた。
だが、私たちのためだけに、村が消えるのは…………
私たちは戦った。
必死で。
なんとか生きたくて。
だけど。