zinma Ⅱ
帰ってきたときの私たちは、ひどいものだった。
ファギヌは頭を割られ、私は胸を刺されていた。
もうふたりとも瀕死。
まるでゴミのように、村へ返された。
私はなんとか意識があったが、ファギヌはもう意識がなかった。
私はただただ泣いた。
愛する人が死のうとしている。
きっと私ももう死ぬ。
それに村の者たちが、集まってきた。
そして地面に大きな大きな魔法陣を描き始めた。
私には、その魔法陣が何か、すぐにわかった。
禁じられた魔法。
『呪い』だ。
私たちの村には、言い伝えがあった。
魔術を使うことのできる祖先たちが、昔、2つの『呪い』を捕えることに成功した。
それは、『すべてのものの時を止める呪い』
それは、『姿を消す呪い』
それらは大変強い『呪い』だったために、ルミナ族たちは、だれにも渡したくなかった。
すると神が現れた。
神は祖先たちに、ある魔法陣を教えた。
それは2つの『呪い』を封じる魔法陣。
それは2つの『呪い』と契約する魔法陣。
その代償として神は、祖先たちに、ある条件を差し出した。
『選ばれしヒト』を見守り続ける、役目。
そして、『選ばれしヒト』が現れたら、その『呪い』の力すべてを『選ばれしヒト』に差し出す義務。
祖先たちは、承諾した。
その『呪い』と契約する魔法陣を、村の者たちは、描いていた。
何をしている、と言いたかったが、私にはもうその力すら残っていなかった。
村の者たちは言った。