zinma Ⅱ
動きやすいが、丈夫な服とコートを着て、いくつかの武器を装備し、かばんを持つ。
小屋の外に出ると、もう昼前の時間で、春の穏やかな太陽が、ほとんど真上に昇っていた。
小屋のドアを閉め、振り返りたい衝動をなんとか抑え、僕は森に進んだ。
森を少し入ったところに、こんもりと盛られた土と、その上に置かれた質素な花がある。
その、師匠たちの墓の前に、僕は行く。
この下には、僕の2人の師匠が眠っている。
最後の最後に叶わなかった想いを叶えるように、僕は2人の手をしっかりと握らせて、共に葬った。
その墓の前で、僕は指を踊らせる。
空中に、淡く光る魔法陣を描く。
そして魔法陣が完成すると、その魔法陣が光る。
緑色に光ったその魔法陣は、師匠たちの墓に沈んでいくように、ゆっくりと消えていく。
封印の魔術。
だれもこの墓を、荒らすことのないように、簡単な封印の魔術を墓にかけ、僕は踵を返す。
ずんずん前へ進む少年。
顔の横を通りすぎていく風が、レイシアの、少し伸びたプラチナ色の白く輝く金髪を、ふわりとなびかせる。
やわらかく、毛先だけほんの少しくせのついた髪。
髪と同じ色の長いまつげ。
その下から、真っすぐに前を見つめる、水色のような緑色のような不思議な色の瞳。
あまりにも美しすぎるその姿。
だれもが天使だと言うような、その透明な美しさを持ったたった15歳のその少年は。
神に遣わされた悪魔としての道を。
真っすぐに、進んで行った。