zinma Ⅱ
変わらずの少年
生きた伝説
北の果てに近いある辺境の地に、小さな村があった。
周囲を高い山々に囲まれたその村は、冬はひどい雪に覆われ、夏はずっと涼しい。
針葉樹の森に囲まれて、人々はヤギやヒツジなどの家畜を飼って暮らしている。
よく肥えた大地のおかげて、家畜はよく育ち、質素ながら豊な生活を送っていた。
そんな小さな村。
わざわざ訪れる人はいないような、なんでもない村。
その村がなぜか、王都を中心とした大都市でも、話題となっていた。
人々は言う。
今度あの村へ行こう。
いまの時期は涼しいからね。
何をしに行くの?
知らないのかい?
何があるの?
なんでもあの村には…
いつまでも成長しない、神の子供がいるらしい。