zinma Ⅱ
またさっきのような真っ白な世界だ。
次は始めから景色がはっきりとしている。
また少し離れたところに父さんと母さんが立っている。
だが少し様子がちがう。
真っすぐにこっちを見ている。
さっきまでは、父さんたちが残しておいた記憶だったから、こっちの言葉や動きにはなんの反応もなかったけど。
母さんも父さんも、ひどく驚いた顔をしている。
それに疑問を覚えていると、母さんが口を開く。
「……お前は…………」
声が震えている。
「私たちの………子供なのか……?」
それにシギは首をかしげる。
母さんは何をいまさら伝えようとしているんだ?
「頼む……。答えてくれ。」
え………?
まさか。
こっちの反応がわかるのか?
それにシギは、あらえないと思いながらも、うなずいてみる。
すると、母さんが涙を流す。
「そうか………やっぱり……。」
父さんも泣いている。
「まさか。会えるなんてね…。」
シギは目を見開く。
やっぱり、この父さんたちは……
シギは言う。震える声で。
「私の姿が…わかるんですか?」
それに父さんと母さんが、うなずく。
優しく微笑んで。
そこで、真っ白の世界に、レイシアが現れる。
父さんと母さんも、そっちを向く。
「……レイ。」
そう母さんが呼ぶと、レイシアはゆっくりと微笑む。
それに父さんが、
「こんなことのために、君は命を削ったのかい?」
そう言いながらも、父さんは嬉しそうに、涙を流す。
それにレイシアが答える。
「7年分の恩を、少しでも返そうかと、思いまして。」
それに母さんが、ははっと笑う。涙をぽろぽろと流しながら。
「最高の恩返しだな。」
それにまたレイシアは微笑んで、姿を消す。