zinma Ⅱ



「魔力も?」

思わず眉をひそめてから、聞く。


するとレイシアはうなずき、

「そうです。魔力も。」

と言う。


別に自分の魔力に執着はないし、渡すことにはなんの問題もないのだが。

なぜ、魔力まで?


疑問に思っていると、レイシアがそれを読んだように話す。


「これもルミナ族に代々受け継がれてきた使命のひとつなんです。」


じゃあ父さんと母さんも…?



「おそらくご両親から聞いたと思いますが、いつか2つの『呪い』を『選ばれしヒト』に返すことがルミナ族の役目のひとつでもありました。」


それにシギはうなずく。


レイシアが続ける。



「ですがルミナ族は、もっと前。ルミナ族が産まれたころ、すでにひとつの『呪い』と契約をしていたのです。」


シギは目を細める。

新たな事実が明かされた。



「その『呪い』は、『自然を操る呪い』。つまり、いまあなたが有している魔力の根源となっている『呪い』です。」


シギはレイシアに聞く。

「魔力も『呪い』のひとつだということですか?」


「そのとおりです。」



シギはただただ驚く。

いままで、何も知らずに生きてきたのに、今日だけで自分の中に3つもの『呪い』を見つけてしまった。


自分はどれだけ世界を知らなかったのか、思い知らされる。




「その『呪い』と契約をしたルミナ族の祖先が、交配をし、子孫を増やしたことにより、あなたのご両親の『呪い』があなたに受け継がれたように、ルミナ族の血にその祖先の『呪い』が混ざっていったのでしょう。」






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