味覚
二人で囲う小さなダイニングテーブルは狭く小さい。

向かいに座る彼女は少し疲れた表情。

「仕事、忙しいの?」

彼女はニンジンが苦手。
スプーンの背で潰しバケットに浸して食べる。

「まぁ…いつもよりかは、忙しいかな」

疲れた彼女を察したのか、マウロが音も無しにテーブルにジャンプ。

「こら、マウロ、机には乗るなって言ってるだろ」

猫背をソッと抱え下ろすと、彼女はマウロに鰹節をかけたシーチキンを器へ作った。
相変わらずマウロに甘い。


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