もうひとつの卒業
「美鈴。大丈夫?
ばらばらになっても、
私達の友情はかわらないよ」

的外れな加奈の台詞に
美鈴の涙は嗚咽に変わった。

「こいつ、こうなったら
しばらくおさまらないから。
俺達、帰るわ。悪いな」

拓馬は、そう言い残すと
美鈴の肩をポンとたたいて

「一緒に帰るぞ」

と言った。
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