もうひとつの卒業
拓馬は一歩踏みだし、早苗に歩み寄った。


早苗の背中が壁についた。

拓馬は早苗と向き合い、壁に手をついた。


早苗の肩に拓馬の手が触れた。

早苗は、拓馬を見上げた。

美しい顔だと思った。

いつも感じる悪寒が無かった。

いつも男性に感じる動物的憎悪が。
< 101 / 235 >

この作品をシェア

pagetop