もうひとつの卒業
「どうしてデパートなの?」


「さあ。わからないわ。

たとえばの話しよ。

それよりも、拓馬は全然恥ずかしくないわ。

信じられないかもしれないけど、私もあなたが初めての男性なの。


何もかも許した初めての人よ」

「何もかも許した?」

「そう。

無防備に全てを開放出来る。

身も心も全て。

あなたに何を見られても良いわ。

望むなら全てを見せてあげる」



拓馬は早苗の胸に目をやった。

太陽の光がレースのカーテンで影を作り、淡く隆起した白い乳房に落ちていた。


拓馬は、裸のままカメラを構え、ファインダーを覗いた。
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