もうひとつの卒業
「拓馬は、元気にしてる?」


加奈は無邪気を装って美鈴に質問をする。


「うん。

元気にしてるわ。

ものすごく。

本当は今日も来るはずだったんだけど、部活が忙しいみたいなんだ」


美鈴は、最近、休日の部活が終わってから、カメラを片手に何処かへ行く拓馬のことを、ちょっと冷たいと思っていた。

ただ、それ以上のことは、何も疑っていなかった。
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