もうひとつの卒業
「美鈴って、バスケ部のマネージャーだったよね?」

美鈴は、加奈に言われて

「あっ!」

と言う声を上げた。


「昔からさ、美鈴って、嘘をつくのが下手だったよね」

横から龍一が笑いながら口をはさんだ。


「どうして、拓馬の行動を把握していないの?」

加奈がたたみかける。



「それは・・・」


美鈴は宙を仰いだ。


喫茶店の小奇麗な壁紙からも、責められている気がした。
< 110 / 235 >

この作品をシェア

pagetop