もうひとつの卒業
一週間後、龍一は拓馬の寮に居た。


拓馬が出掛ける支度をしているところへ、突然龍一が押しかけて来たのだ。



「悪いな。

せっかく訪ねて来てくれたのに。

急ぐんだ。

約束があってね」


拓馬は、龍一の目を見ずに、支度をする手を休めなかった。

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