もうひとつの卒業
「知らなかった。

美鈴、一言も言ってなかった」


「最近、話してるのか?」


「毎日、会ってるよ」


「俺が言いたいのは、ちゃんと話せてるのかって事だよ。

ちゃんと、向き合って話しているのかって、そういう意味だよ」


「美鈴が、何か言ってたのか?」

「何も言ってないよ。

でも寂しそうだった。

おまえたち、大丈夫なのか?」


「大丈夫って何が?」


「別れたりしないよな」

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