もうひとつの卒業
「この乳房、死体みたいに白いわ」

早苗は、フラッシュを使って写した写真を手に取って、不満をあらわにした。


「長雨続きだから、仕方ないよ。

もうすぐ梅雨が終わる。

夏が来れば、良い写真が撮れるよ」


「この部屋で?」


「この部屋で。

何か不満がある?」


「不満はないけど、新鮮な空気が吸いたいわ」
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