もうひとつの卒業
「早苗は、謎だな。

全部知りたいよ」


「女は深いのよ。海のように」


拓馬は早苗の抱えている問題の深さを思った。

17年の人生では計りしれない、複雑で厚みのある多くの事を。


同じ時間を生きている奇跡を思った。

太古の昔から生きながらえて来た細胞。

その先にある偶然の産物。
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