もうひとつの卒業
「でも、いつも美鈴は
肝心なところで
いつも失敗するからさ」

拓馬は
いたずらっぽい目で言った。

「そうかな」

「そうだよ。鈍感だし」

「拓馬に言われたくないわ」

美鈴は少しむくれた。



拓馬は
美鈴の歩調に合わせながら
後ろ向きに歩いた。

海の風が心地よかった。

美鈴の髪が潮風に揺れた。
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