もうひとつの卒業
「早苗」

ともう一度呼ぶ。

次第に熱く込み上げてくる液体に支配される。

一気に駆け上がる。

加速度が増す。

何か大きな力に引き上げられるような感覚。


もはや、抵抗は出来ない。


そして唐突に放り出される。

一瞬、無重力の中にいる。

鼓動のような快感が頭の芯を何度も打つ。


射精が終わると、拓馬はティッシュを丸めてごみ箱に捨てた。



そんな蒸し暑い夜が、何日も何日も夏の間中続いた
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