もうひとつの卒業
のどが渇くみたいに、生の早苗が欲しくて仕方が無かった。

一度、その想いにとらわれると、どうしても追い払うことが出来なかった。

渇きは、我慢の限度を超えていた。


無意識のうちに携帯を手に取っていた。

最初のコールで早苗が出た。

小さな息遣いが聞こえて、拓馬の名前を呼んだ。
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