もうひとつの卒業
早苗の名前を呼ぶ。

早苗も拓馬の名前を呼ぶ。

ため息に似た、何かを訴えるような、


声。



それはたぶん、今まで蓄積された理不尽な我慢みたいなものかもしれない。


拓馬は、既にイキそうになる。

早苗にその事を伝える。

早苗は、我慢して、と言う。

もう少し我慢して。


一緒にイキましょう、


と。
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