もうひとつの卒業
「予感があったの。

拓馬が私を呼んでいるという感覚。

部屋をノックするみたいに、伝わってきた」


「何処かで繋がっている」

「そうね、前世か未来で繋がっているはずだわ」


「愛している」

「私も愛している。

からだ全てが、あなたを求めている」


「会いたい」

「私も会いたい。

今すぐあなたの全てを、私の中に入れてしまいたい」


「でも」


「でも?」

「でも、今は出来ない。

もうすぐ夏が終わる。

そして秋の大会が始まる。

どうしても勝ちたい」
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