もうひとつの卒業
夏休みも後半になると、バスケ部員はみな、たくましく成長していた。


筋肉がつき身長も伸び、ひとまわり大きくなった。

体が成長しない早苗からは、それがよくわかった。


体育館で流した汗を、部員全員が覚えていた。

秋の大会を戦う準備は出来ていた。

早苗もまた、戦っていた。


予算の捻出。

試合時の宿泊先の確保。

実績の無いクラブほど、予算は少なかった。

経験の無い早苗は、その壁をどう乗り越えたら良いのか、その術を1からあみださなくてはならなかった。

相談出来る相手など、誰も居なかった。


暑く、熱い夏が終わろうとしていた。
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