もうひとつの卒業
「美鈴さん。

確かにそうだわ。

私は自分の財布からお金を出した。

でもそれは社会人としてやってはいけないことなの。

能力のない証拠なの。

決して誉められた行為ではないの。

そしてここに居る資格もないの」


早苗は一瞬、拓馬の顔がよぎった。

そして、無邪気に拓馬を信じている美鈴の顔を見るのが辛かった。
< 155 / 235 >

この作品をシェア

pagetop