もうひとつの卒業
彼らは気がついていない。

今が人生で一番輝ける瞬間であることを。

そしてその事を伝え切れない自分が、もどかしかった。

ふいに背中を押された。

美鈴だった。


「先生も中に入って!」

早苗は美鈴から押しだされて、コートの中央に立った。

若い男たちが群がった。
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