もうひとつの卒業
拓馬は早苗に歩み寄った。

大人なのに小さな体。

大きな荷物を抱えて。

どこにそんな力が、と思った。


拓馬は早苗の頬に手をやった。

体温が伝わって来る。

唇に触れた。

熱を持っている。

そして求めている。

もっと熱いものを。


拓馬は大きな手で早苗を抱き締め、早苗の小さな唇を厚く大きな唇で覆った。
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