もうひとつの卒業
「トゥルル・・・」


メールの着信音で
思考が停止した。
心が踊った。

拓馬からのメール


「明日、どうする?」

ディスプレーに
映る文字を見ながら
美鈴は考えた。

「これって明日、二人で会うという事よね?
デートの誘い?
どうしよう。
心の準備が出来てない。
着て行く服もないわ。
そうだ。お姉ちゃんに借りよう」


美鈴は
姉のクロゼットを許可なく開け
ブルーのワンピースを着てみた。

早熟な美鈴の体に、
姉の服はぴったりと納まった。


「丁度いいわ。
胸、また大きくなったかしら」

鏡を見ながら、美鈴は独り言を言い急いで返事を打った。


「明日、街に出ましょう!
見たい映画があるの!」
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