もうひとつの卒業
「何しに来たの?」
一カ月ぶりに聞く早苗の声だった。
氷の台地からささやかれるような、乾いた小さな声。
そこには何の感情も無かった。
拓馬はドアの隙間に体を滑り込ませた。
ドアが閉じる音が後から大きく響いた。
一カ月ぶりに聞く早苗の声だった。
氷の台地からささやかれるような、乾いた小さな声。
そこには何の感情も無かった。
拓馬はドアの隙間に体を滑り込ませた。
ドアが閉じる音が後から大きく響いた。