もうひとつの卒業
「死ぬわ」

早苗は、拓馬の胸から顔を上げて言った。

「これ以上、誰にも迷惑はかけられない。

これ以上生きていても、誰の助けにもならない。

死ぬ。

なかなか良いアイデアだわ。

どうして今まで思いつかなかったのかしら?

簡単な事なのに」
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